■ 新潟県中越地震被災地住宅キャラバン隊に参加してきました ■


'04/11/8・9日と15日に中越地震被災地住宅キャラバン隊の相談員として新潟県小千谷市にて活動してきました。
これは被災地市町村の要請を受けた新潟県が国(国土交通省)の協力のもと、(社)新潟県建築士会に業務委託して実施されたものです。新潟県建築士会からは関東ブロック9都県の建築士会に応援の要請が出され、長野県建築士会では小千谷市の住宅相談を担当しました。

活動記録

□ 活動スケジュール

11月8日
 ・AM4:30 自宅出発。
 ・AM7:30 キャラバン隊本部(長岡市大島公民館)到着。
 ・AM8:00 本部出発。
 ・AM9:00 小千谷市市役所到着。相談開始。担当は小千谷市役所
         その場で班分けをし、相談窓口(市役所・総合体育館・中学校など)に移動。
          相談申し込みのあった方の家に、2人一組の班で現地調査。
          移動は基本的に相談者の車で送り迎え(迷ったりする時間のロスをなくすため。)
         一日に相談できるのは、5件程度。
 ・PM4:00 現地相談終了。小千谷市集合。
         相談を行った内容をまとめて、係員に提出。
 ・PM5:30 現地解散。
 ・宿泊:キャラバン隊本部の長岡市大島公民館にて宿泊。
         男性は畳、女性は板の間に、毛布を貸していただき、みんなで雑魚寝しました。

11月9日
 ・AM8:00 本部出発。
 ・AM9:00 小千谷市市役所到着。相談開始。担当は総合体育館。          
 ・PM4:00 現地相談終了。小千谷市集合。
 ・PM5:30 現地解散。長野に戻る。

□ 活動内容・所見

今回の地震は新潟県中越地方という、長野県の北部(北信)に生活している私にとって比較的馴染みのある地域が被害を被った。地震の直後から、建築に携わる一人として何か被災地の方々のお役に立てればという気持ちを強く抱いており、応急危険度判定(※)の要請にも応じていたのだが、今回は行政側中心で対応するとのことで民間の参加の多くは見送られたようである。その後、新潟県から国土交通省・建築士会を通して住宅相談というかたちで今回参加することとなった。
※応急危険度判定
地震によって被災された場合、余震などによる被災建物の倒壊・部材の落下などから生じる二次災害を防止し、住民や付近を通行する歩行者の安全の確保を図るために、余震等による二次災害の危険性を専門家(応急危険度判定士)によって判断するものです。調査結果は判定ステッカー(色紙)で見やすい場所に表示してあります。
判定ステッカー   危険(赤紙)  : その建築物に立ち入らないこと
             要注意(黄紙): 立ち入りには十分注意すること
             調査済(緑紙): 建築物は使用可能

まず小千谷市入りして感じたことは、道路や建物に多くの被害が出ているものの、地震から2週間が経ち、電気・水道などのライフラインは多くの地区で復旧していることもあり、街の様子は落ち着きを取り戻しているようであった。ただし被害を受けた建物内での住宅相談中にもあったように、大きな揺れを伴う余震が多く、個々の住宅での復旧はまだ手をつけられない状態でもあった。今度の地震は強い余震が長く続くのが特徴でもあり、これによって復旧が困難であったり、被災者の方が受ける精神的ダメージも大きいようである。

住宅相談の内容の多くは、応急危険度判定により「危険」「要注意」「調査済み」と判定された建物の『実際の状態』を調査してほしい、というものであり、具体的には「家は赤紙(危険)が貼られているが、もう住めないのか?」「緑(調査済み)だが大丈夫なのか?」といったものがほとんどであった。私たちは2名1チームで個々の住宅に赴き、これらの相談に応じていった。
外部をもう一度隈なく調査し、内部は時には床下・小屋裏など覗きながら、相談者といろいろな話をしていくなかで、被害の程度はそれぞれではあるものの、今後の復旧への方向性をアドバイスすることで、相談者の方々は少しではあるかもしれないが、調査前に比べ落ち着きを持たれた様子だった。


調査して気づいたこと
・被害の多くは地盤の軟弱な場所である。盛土された敷地・河川沿い・段丘地などであり地下水位が高いのか、湿った地盤が目立った。
・新耐震以降(昭和56年以降)に建設されているものは、基礎に鉄筋が入っているため基礎の状態が良く、上屋も比較的被害が少ない。
・雪国であり瓦屋根は少ないと予想していた(長野県の多雪地域では瓦屋根は一般的でない)が実際は比較的多く、そのほとんどが被害を受けている。棟瓦が壊れて飛んでいるものが多く、屋根の重量そのものが大きくなるため構造体に負荷がかかり建築全体に被害が及ぶものも多い。
・1階部分を鉄筋コンクリートで立ち上げ、その上を2階建ての木造としている比較的新しい建物は一様に被害が少ない。雪国独特の高床式であるが、1階部分を木造としているものは逆に被害が顕著であった。

今後の課題として
・応急危険度判定については、今回判定がかからなかった地域が多くあったことは意外であり、是正しなければならないと感じた。
・応急危険度判定の趣旨が被災者に正確に伝わっていないことが多く、判定後のフォローが曖昧となっている。その為に悲劇を生んだケースもあり、改善しなければならない。
・個人的には、地震の怖さを改めて感じた。今回の活動を通して経験したことを、建築士として今後の設計監理活動に活かさねばならないと思った。


□ 被害状況

1階部分が潰れ2階部分だけが残っている建物。1階を車庫などに使っていて柱が少ない建物の多くにこのような被害が出ていた。
山間の道路では土砂崩れにより擁壁も壊れているヶ所が多く見られた。土木技術にも改善されるべきものが多いように感じた。
地震による地盤の液状化により電柱が傾き、マンホールが飛び出してしまっている。
小千谷市総合体育館前の道路など、所々で見られた。

□ 支援活動

長野県から避難している子供たちへの支援カーが総合体育館に派遣されていました。
総合体育館前には自衛隊支援部隊が炊き出しやお風呂のサービスなどの活動をしていました。


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